福音ラジオ 第四回『天使モロナイ』

目次

導入

皆さんこんばんは、かいです。

聞いてくれている皆さんの時間をいま、分けてくださっている事に心から感謝します。

ありがとうございます。

さて、前回はわたしたちの教会で『最初の示現』と呼んでいるものを経験したジョセフ・スミスが、それを告白したところ周囲の人たちから迫害を受け始めたという話をしました。

今回はその後どのような事が起こったのかをお話しします。

今回も聖典と教会からの出版物を参照しています。

新しい転機

最初の示現から約3年が経過しました。

この間ジョセフはほとんどの日々を、土地の開墾や雇われ人として働いて過ごしました。

この労働のためジョセフはあまり学校に行くことができず、空いた時間の大半を家族や他の雇われ人たちと過ごしたようです。

さらに最初の示現のとき、ジョセフはどの教派にも加わることを禁じられていたので、ある時までさまざまな人と交わりを持ち、神の目にかなわない誘惑に誘い込まれました。

彼がどのような事をしたのか具体的な行動については判りませんが、『ジョセフ・スミスー歴史』にはこのように記されています。

『わたしはー非常に未熟な年齢でもあってーあらゆる誘惑を受けるに任された。また、わたしはいろいろな人々と交わって、しばしば多くの愚かな誤りを犯し、若者としての弱さと人間性の至らなさを示した。

遺憾ながら、このために神の目にかなわない様々な誘惑に誘い込まれた。

この告白をしたからといって、わたしが何か大きな罪、すなわち憎むべき罪を犯したと思うには及ばない。

このような罪を犯す性質など、決して私にはなかった。しかし、私は軽率な行動をし、時には陽気な仲間と交わるなどして、わたしのように神から召された者が当然保つべき性格に一致しない行動をした。

しかし、私の若い頃を思い出し、私の生来の陽気な気質を知っている人には、このことはそれほど不思議には思われないであろう。』

そしてジョセフはこれらのことの結果、自分自身にとがめを感じました。

この時彼は、御父と御子にまみえた示現の後に感じた赦しと平安をもはや感じる事ができなくなっており、自分の弱さや不完全さのために罪に定められていると感じることがよくあったようです。

そして1823年9月21日の夜、自宅の屋根裏にある寝室で眠れずにいたジョセフは、全能の神に自身の全ての罪と愚かな行いを赦してくださるように懇願しました。

天からの使い

ジョセフが神に呼び求めていた時、彼のベッドの傍に光が現れました。

この時の様子を『ジョセフ・スミスー歴史』より引用します。

『私はこのように神に呼び求めていたとき、室内に光が現れたのに気づいた。

その光は次第に明るさを増し、ついにその部屋は真昼の時よりも明るくなった。

すると、すぐに一人の方がわたしの寝台の傍らに現れ、空中に立たれた。

というのは、その足が床から離れていたからである。

その方はこの上なく美しい白さの、ゆったりとした衣を着ておられた。

それは、わたしがこれまで見たこの世のいかなるものにも勝る白さであった。

この世のいかなるものも、これほど白く輝いて見えるようにすることはできないと思う。

その方の手はあらわで、衣の袖は手首の少し上までで、その足もあらわで、衣の裾は足首の少し上までしかなかった。

その方の胸が見えるほど衣がゆったりとしていたので、私はその方がその衣のほか何も着ておられないのに気づいた。

その衣が非常に白かっただけでなく、その全身も筆紙に尽くし難い輝きに満ち、その顔はまことに稲妻のようであった。

部屋は非常に明るかったが、その方のすぐ周りほど明るくはなかった。

わたしは最初にその方を見た時に恐れたが、その恐れはすぐに去った。

その方はわたしの名を呼び、自分は神の前から遣わされた使者であること、その名はモロナイであること、神がわたしのなすべき業を備えておられること、またわたしの名が良くも悪くも全ての国民、部族、国語の民の中で覚えられること、すなわち、良くも悪くも全ての民の中で語られることをわたしに告げられた。

その方はまた、この大陸の先住民の話と彼らの起源を伝える、金版に記された書が隠されていることも告げられた。

また、それには救い主がその昔の住民に述べられたままに完全な永遠の福音が載っている事も告げられた。』

ここで出てくる『モロナイ』という人物ですが、モルモン書の中に登場する人物です。

ニーファイ人という民族の最後の預言者で、紀元400年頃に生きていました。

彼の父であるモルモンから民族の歴史記録を受け取り、モロナイが最後の編纂と記録の追加を終え、それを封じて当時クモラと呼ばれていた丘に隠しました。

モロナイが自ら名乗ったように、彼は天の神から使わされた使者、すなわち『天使』です。

天使とは?

『天使』というと聞く人によってさまざまなイメージを持っていると思います。

昔から絵画においても翼を背に生やした人の姿で描かれることが多々ありました。

ですが聖書において御使が翼を生やしていたという記述はなく、むしろ私たちと同じような姿かたちであったと思われるような書き方をしています。

例えば創世記の第19章に『ふたりのみ使い』という説明で登場する人物がいます。

彼らは当時の世界でも悪徳を極めた、ソドムとゴモラというふたつの街を滅ぼすため、主によって遣わされた、とされています。

この時ソドムの街にはロトという人物が娘たちと一緒に住んでいたのですが、ソドムの門に現れたふたりのみ使いを目にしたロトは、彼らを出迎えて自分の家に泊まるよう申し出ます。

夜になってソドムの街の住人たちがロトの家に押しかけ、二人のみ使いを家から出すようにロトに迫りました。

私たちの聖典には、『ジョセフ・スミス訳』という聖文があります。

長い年月の間に様々な理由で正しい翻訳から外れた文を、ジョセフ・スミスが霊感を受けて翻訳したものです。

その中から引用します。

『ジョセフ・スミス訳創世記第19章9〜15節』です。

『彼らはロトに「退け」と言った。

彼らは彼に腹を立てていた。

そして、彼らは互いに言った。

「この男は渡ってきたよそ者であるのに、裁き人になろうとする。今、我々は彼らに加えるよりも、この男に多くの害を加えよう。」

そして、彼らはその人に言った。

「あの男たちと、お前の娘たちをもらおう。そして、好きなようにさせてもらう。」

さて、これがソドムの悪の流儀であった。

そこでロトは言った。

「ご覧ください。わたしにはまだ男を知らない娘が二人います。どうか兄弟たちよ、娘たちを差し出さなくても良いようにしてください。娘たちに好き勝手なことはしないでください。神の僕がそのようなことをするのを、神は義とされないからです。ですから、兄弟たちよ、もう一度だけお願いします。この人たちに何もしないで、わたしの家に安らかにいられるようにしてください。わたしの屋根の下に身を寄せていただいたのですから。」

すると、彼らはロトに腹を立て、進み寄って戸を破ろうとした。

しかし、聖なる人々である天使たちは、手を伸べてロトを家の中に引き入れ、戸を閉じた。』

少し注釈を入れますと、ロトは生まれながらソドムに住んでいたのではなく、別の土地から移住してきた身でした。

ですからソドムの住人たちはロトを指して『渡ってきたよそ者』と言っています。

ソドムの住人たちは、み使いを『あの男たち』と呼んでいます。

これは、み使いたちの外見が普通の男性と何ら変わりなかった事を意味していると考えられます。

そしてこの最後の節で、『聖なる人々である天使たち』とあります。

これが天使の真実を解くヒントのひとつです。

私たちの聖典から引用します。

『天には天使と呼ばれる2種の存在者がいる。

霊の状態の者と骨肉の体を持つ者である。

霊の状態の天使は、まだ骨肉の体を得ていない。すなわち、かつては死すべき肉体を持っていたが、今は復活を待っている者である。

骨肉の体を持つ天使は、死者の中からよみがえった者か、または身を変えられた者である。』

さらに、『教義と聖約』第129章にはこのようにあります。

『天に二種の存在者がいる。

すなわち、第一は天使である。天使とは、骨肉の体を持つ復活した人々である。

例えば、イエスは、「触ってみなさい。霊には肉や骨はないが、あなたがたが見るとおり、わたしにはある」と言われた。

第二に、完全なものとされた正しい人々の霊である。彼らは復活していないが、同じ栄光を受け継ぐ。』

つまり天には大きく分けて『仕える霊』と呼ばれる霊の状態の者と、『天使』と呼ばれる骨肉の体を持った者がいるということです。

彼らはともに、神から権能を預かって地上で人々を導きます。

ロトのところに身を寄せたふたりは、『手を伸べてロトを家の中に引き入れ』たとあるので、骨肉の体を持つ天使です。

そして話は戻りますが、17歳のジョセフ・スミスの前に現れたモロナイも死者の中からよみがえった、骨肉の体を持つ天使のひとりです。

さらにいうと、一度死んだ者が誰でも骨肉の体に復活しているという訳ではありません。

『モロナイ書』第7章から引用します。

『見よ、天使はキリストに従っており、深い信仰と確固とした心をもって、あらゆる方法で神を敬う者に自分自身を示し、キリストの命じられる御言葉のとおりに教え導いている。

天使の務めは、人を招いて悔い改めさせることと、御父が人の子らに立てられた聖約の業を果たして実行することと、主の選ばれた器にキリストの御言葉 を告げ知らせることによって彼らがキリストについて証を述べるようにして、人の子らの中に道を備えることである。』

同じく第7章から引用します。

『天使が人の子らに現れることは、終わってしまったのであろうか。

神は聖霊の力を人の子らに与えられなくなってしまったのであろうか。

時が続くかぎり、大地が存在するかぎり、地の面に救われる人が一人でもいるかぎり、神は聖霊の力を与えるのを控えられるであろうか。

見よ、そうではないと、わたしはあなたがたに言う。

奇跡が行われるのは信仰によるからである。

天使が人に現れて教え導くのも、信仰による。

したがって、もしこれらのことがなくなっているとすれば、それは不信仰のためであり、すべてはむなしいので、人の子らは災いである。』

『黙示録』に登場する天使

天使の詳細などについてはまたの機会にお話しするとして、『ヨハネの黙示録』の中にこのような記述があります。

第14章6、7節を引用します。

『わたしは、もうひとりの御使が中空を飛ぶのを見た。

彼は地に住む者、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるために、永遠の福音をたずさえてきて、大声で言った。

「神をおそれ、神に栄光を帰せよ。神の裁きの時が来たからである。

天と地と、海と水の源とを造られた方を、伏し拝め」。

この『もうひとりの御使』がモロナイです。

モロナイは地に住むすべての人に、完全な永遠の福音を携えてきました。

これを切っ掛けとして、取り上げられていた『神権』が再び地上に戻され、イエス・キリストから導きを受ける事ができる 『時満ちる神権時代』が始まりました。

『神権』については次回にお話しします。

さて、天使モロナイはジョセフに多くのことを語りましたが、前述のように完全な永遠の福音が載っている版を渡すことを約束しました。

ですが、そのためにジョセフには準備と訓練が必要でした。

さいごに

私たちの教会は世界各地に神殿を建設していますが、その尖塔の上にラッパを構えた金色の像が建てられています。

これがモロナイです。

ジョセフはモロナイから様々な訓練を受け、福音の回復に携わることになります。

次回はそのお話をします。

聞いてくださってありがとうございました。

またお会いしましょう。

おやすみなさい。

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この記事を書いた人

はじめまして。プロフィールを見てくださってありがとうございます。
少し自己紹介をさせてください。
よもやま かいといいます。香川県出身です。
キリストを信じる信仰を持つクリスチャンで、末日聖徒イエス・キリスト教会の会員です。
絵を描くことが好きで、筆記具を集めたりしてます。

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